インターネット広告代理店在籍者の転職先は?インターネット広告代理店出身者のキャリアについて解説

今日、ネット広告代理店は世論が推し進めている働き方改革やAIの台頭によって、以前に比べると多忙・激務という環境は変わりつつあります。

とはいえ一部の体育会系の会社では、今でも0時を回っても働き続けているのが実情です。

私は徹夜ができない人間なのですが、インターネット広告代理店在籍時は最大で朝の4時まで働いていたことがあります。

その次の日(その日)は定時で退勤してやろうと思っていましたが、なんだかんだで23時くらいまで働いて満身創痍だったことが今では懐かしいです。

インターネット広告代理店の離職率は高く、人が辞めていく度に自分も「ずっとこのままでいいのか」「Web・IT業界の人材が売り手市場の中、もっと年収をあげることはできないか」とよく考えていました。

今回のンターネット広告代理店の次なるキャリアについて、私が聞いた話や、私が実際に体験した内容も踏まえて解説をしたいと思います。

インターネット広告代理店在籍者の転職先は?

私は2019年4月にインターネット広告代理店からGoogleに転職したため、当時と現在では状況が若干異なる可能性があります。

その上で、勝手にインターネット広告代理店在籍者の転職先ランキングを独断と偏見で発表します。

統計を取ったわけではないので、あくまで私の感覚であることをご留意下さいw

1位:事業会社(BtoC・CtoC)のマーケティング担当
2位:別の広告代理店
3位:事業会社(BtoB)
にしかた
まじで独断と偏見だぜ

事業会社(BtoC・CtoC)のマーケティング担当

多分これが最も多いケースです。

インターネットやSNSの普及によってマーケティングの選択肢は以前よりも多く、複雑になりました。

そのため企業側からすると、デジタルマーケティングに関連する知見が豊富な業界経験者を喉から手が出るほど欲しい状況です。

加えて代理店在籍者からしても、事業会社のマーケティング担当は「仕事でやりとりしている人」であるため、事業会社側に転職することで活躍できるのではないかと考える人も多いのではないでしょうか。

転職する際に注意しなければいけない点は、多くの企業でインターネット広告経由のコンバージョン数は全体の10%~30%程度しかありません。

つまりSEOやUI/UXのサポートをしていない限り、インターネット広告代理店が関与しているデジタルマーケティングの領域も10%~30%でしかないため、実は広告代理店在籍者は事業会社のマーケティングのことを分かっているようで分かっていないのです。

とはいえ、インターネット広告代理店で培える計測技術に関する知識や、マーケティングファネルの考え方などは転職後も活かせるスキルだと思います。

また「事業会社」と大きく括ってしまいましたが、事業会社も様々な業界・業種があります。

ソフトバンク・楽天のような大企業に転職する人もいれば、少数精鋭のスタートアップ企業に転職する人もいました。

インターネット広告代理店に在籍していると、旅行・不動産・金融など様々な業種に関わることができますが、事業会社に転職をすると基本的に特定業界に絞る必要があります。

その後のキャリアは転職先の業界に強く依存する可能性が高いため、自分のよく知っている業界の知見を伸ばしたいのか、全く知らない業界の知見を吸収したいのかをよく考えて転職先を決めると良いのではないでしょうか。

  • 実は広告代理店在籍者は事業会社のことを知っているようで知らない
  • 広告代理店で培ったデジタルマーケティング知識はある程度活かすことができる
  • 業界を絞る選択になるため、今後のキャリアについてきちんと考えなければならない

別の広告代理店

電通デジタルが発足した際は、正直人材の流出が非常に多かったです。

高い給与を提示して、ネット広告代理店出身者を引き抜きに近い形でどんどん採用していったのです。

また代理店→代理店という転職の場合、前職の経験がふんだんに活きるため、雇用者も被雇用者も条件さえ合えば非常に良い環境であるといえます。

ちなみに僕もエージェント・ヘッドハンターを通じて何度も電通デジタルへの誘いがありましたが、全て断りました。

断った理由としては、環境や給与を変えるだけで実務は大きく変わらないだろうなと思ったのと、今よりも成長機会は減ると思ったからです。

☆メリット
売り手市場であり、即戦力になれる。
☆デメリット
業務内容は大きく変わらないため、成長機会が減る可能性がある。

広告媒体側、ツールベンダー

2019年8月現在の自分は、これにあたります。

これらは広告主側に次いで多いと思います。YahooやGoogleをはじめとして、ADNW/DSP事業会社や、アフィリエイト、DMP、LPOツールなどの会社です。

自分の前職の後輩はYahoo!に行きました。

ADNW/DSP事業会社に関しては、ネット広告代理店出身という立場から、他媒体の情報をたくさん持っているということで非常に重宝されます。

前職でよくADNW/DSPの営業の方と話すケースがありましたが、やっぱり他媒体の動向は気になるようです。

注意してほしいこととして、これらの会社への転職すると、当然売る商品は限定的になるため、今まで「複数の媒体やツールを使った課題解決」という広告代理店ならではの強み・楽しみ・経験を捨てる行為ともいえます。

自分は今媒体側の立場ですが、時たま「ああ、自分が代理店の立場だったらこんな提案できるのに」と思います。

☆メリット
色々な情報を知っている人材として重宝される。
☆デメリット
販売商品が限定的になり、フットワークが重くなる。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームに転職する人は、華やかな広告業界で働きたい!というより、戦略を煮詰めてビジネスを拡大していきたい、という志向の方が多いです。

広告出稿はあくまでビジネスを認知・拡大していくための一手段です。

そのビジネスの拡大という目的を、広告という手段を使って解決する立場ではなく、もっと上流の戦略設計から関わりたいと思うことは少なからずあります。

それに近しい経験ができるのは、やはりコンサルティングファームでしょう。

実際に大手の外資系コンサルティングファームに転職した先輩によれば、やはりネット広告代理店の提案に比べると緻密にロジックが作られており、非常に学びが多いと話していました。

一方で戦略を立てるだけで終わりなのが、コンサルティングファームの欠点でもあります。

ネット広告代理店の場合、立てた戦略に対して実行まで担うケースが全てなので、実際に自分の考えは合っていたのか、間違っていたのかをこの目で見れるのは楽しみの一つではあります。

また未経験採用となるので、いきなり大きなプロジェクトの戦略立案に絡めるわけもなく、最初はリサーチや資料修正など細かい作業が多いそうです。

その上、広告代理店と同様に激務であるため、忍耐力がない人や、ビジネスマンとしての目指す姿が不明瞭の方にはおすすめしません。

☆メリット
給与が高く、大きなビジネスに関わることができる。個々人のスキルも非常に高いため成長機会が多い。
☆デメリット
激務。いきなり大きなビジネスに関われるわけではない。戦略の実行まで担えない。

その他

上記の4職種・業界が最も多い例です。ここから先は、あまり例が少ないケースですが、こんな転職先もあるんだと参考にしてみてください。

  • 独立(少)
  • 事業会社のアナリスト(少)
  • ネット広告以外の代理店(少)
  • 人材会社の営業(少)
  • 寿(少)
  • メーカー・商社の営業(極少)
  • 趣味に関わる仕事(極少)

エンジニアに関しては、対応できる言語さえマッチすれば業界選ばず転職をする人が多いです。

また独立志向を持っている人は、割合で考えれば多いと思います。

今後はどうなる?ネット広告業界

自動化・インハウス化が進んでいる

業界未経験の人は想像がしづらいと思いますが、ネット広告業界はいま、自動化・インハウス化が進んでいます。

Google経由で出せる広告も殆ど自動になっている上、Google自体が自動化を推奨しています。

現在ネット広告代理店で働いている人は、インハウス化の波に乗って広告主側に転職しやすい風潮は更に強まるでしょう。

一方でこれからネット広告代理店に面接に来る人は、そんな潮流も知らず「市場が成長している!」「SNSの広告やりたい!」とキラキラした目で志望動機を語ってくることが多いです。

実際に入社してみると、確かに業績は成長しているものの、なんだか勢いがなかったり、自動化!自動化!と言われ、自分の価値ってなんだろうと思い悩んでいる人が多いです。

今後、ネット広告代理店はどうなっていくのか

結論からいえば、ネット広告市場はまだまだ伸びると思いますし、ネット広告代理店の業績も最低でもあと5年は伸び続けると思います。

5年という数字に根拠はありませんが、まだ暫くは今の業態が覆ることはないでしょう。

その理由は「広告主側のWebマーケター」の項で説明した通り、新しい情報が日々発信されているため、インハウス運用だとどうしても新しい情報の全てを手中に収めることは難しく、やはり「代理店」という他商材を扱っている立場を活用したほうが良いのです。

その中でなぜ、一部の企業はインハウス化を進めているのでしょうか?

その理由は、GoogleやFacebookなどの媒体社から直接手厚いサポートを受けることができるからです。

そのため最新の情報を、最高の鮮度で知ることができ、むしろ代理店より情報が早いことがあります。

しかし相当な出稿金額がないと、直接手厚いサポート受けることは難しいのが実情です。

また代理店は基本的にフィービジネスとなっているため、例えば1億円の広告費だと代理店に支払う金額はおおよそ2,000万円、500万円の広告費だと代理店に支払う金額はおおよそ100万円となります。

専門性の高い広告チームが月100万円でサポートしてくれる、と考えると人件費などの観点からそこまで悪くない買い物だなとは思いますが、月2,000万となると正直高いと思いませんか?

もちろんサービスレベルは上げてもらったり、値引きも入るとは思いますが、それでも正直高いと感じてしまいます。

そういった理由で、インハウス化を進めることができるのは出稿金額が大きく、且つ制作や運用などができる組織を保有している企業でないと難しいのです。

自分の価値を高めよう

就職をするにしても、転職をするにしても売り手市場とはいえ、誰もが優良企業にいけるとは限りません。

中途半端に取り組んで、ネット広告代理店がキツイから、待遇が悪いから、という理由で転職をする人を数を多く見てきました。

そういった人たちは一時的な年収アップのために転職をしてしまい、生涯年収の限界値を自分で下げている可能性が大いにあります。

ネット広告代理店は、人材の勝負です。

扱っている商材がほぼ同じなので、あとはいかに自分がそれに高い価値を付けてプランニング・販売できるかです。(クリエイティブは別)

そのため販売のためのロジックの立て方、広告主側との折衝、最新情報のインプット~アウトプットまで、社会人として必要なスキルを包括して養うことができます。

また業界もまだ若いため風通しの良い会社が多く、良いと判断された意見はプロジェクト化し、そのプロジェクトリーダーとして抜擢される機会もたくさんあります。

これから就職活動・転職活動をする人は、ぜひネット広告代理店でどういった経験を積みたいのか、改めて考え直してみてください。