ウェブ解析士は仕事に役立つのか?経験者が語る資格の紹介

先に個人的な感想

結論から言います。

既にある程度マーケティングに関する知識、ウェブ解析に関する知識を習得している人にとっては、全く意味のない資格です。

 

私は2014年に上級ウェブ解析士の資格を取得しました。(個人情報駄々洩れ・・・)

西方 一行

当時、自分は社会人一年目。当然ビジネススキルもなく、ウェブマーケティングとは?という状態の中で、インドネシアでのECモールビジネスを友人と立ち上げるという無謀な挑戦をしていました。

その状況の中でウェブマーケティングとは何ぞや?を学ぶために、ウェブ解析士・上級ウェブ解析士に挑戦しようと思いました。(当時はウェブ解析士ではなく、初級ウェブ解析士という名前でした。)資格としても残るので、仮にインドネシアビジネスが失敗しても、転職活動で履歴書に書ける!と浅はかな考えを持っていました。

これらの状況を踏まえて、その当時の自分としては取得して良かったと思っています。ただそれは右も左も分からない状況だったからです。

この資格は年会費がかかるため、自分の資格はおそらく2016年頃に失効してしまいました。が、改めて取得しようとも思いませんし、その当時に比べて洗礼されたマーケティング知見は培うことができています。

当時、ウェブマーケティングに関する知識がゼロだった自分にとっては、このウェブ解析士の資格勉強は、自身のマーケティングスキル、ビジネススキルの土台を作ってくれたことは間違いありません

 

ただ冒頭の通り、既にある程度マーケティングに関する知識、ウェブ解析に関する知識を習得している人にとっては、全く意味のない資格と断言できます。

前提としてこの資格を取得することで、ウェブ解析士としての仕事を取ってこれるか否かは自分次第です。

更に言えばウェブ解析士は世間ではそこまで知名度が高い資格ではないため、この資格を持っているから新しい仕事のチャンスが生まれた!ということは体感できませんでした。

また『ウェブ解析士』と謳っていますが、データサイエンス的な内容は一切出てきませんでした。

「2020年のカリキュラムにはあるかもしれない?」

いや、100%といってないでしょう。難易度が高くなりすぎます。それはマジモノのデータサイエンティストの方と一緒に仕事をすれば分かります。

 

ここまで酷評してきましたが、とはいえ当時の自分は受けて良かった!と思っているので、改めてウェブ解析士の紹介と、良かった点・悪かった点をまとめていきたいと思います。

ウェブ解析士とは

WACA(一般社団法人ウェブ解析士協会)の公式サイトにウェブ解析士とはどんな資格なのか記載されています。久々に見たらだいぶ変わってました。

▼2019年3月23日

ウェブマーケティングに必要なスキルは、単にアクセス解析の知識だけでなく、
観測すべきKPIの設定
事業に則した現状分析および目標を達成するための計画立案
プロジェクトのファシリテーション 等、多岐にわたる能力が求められています。
しかし、これまでこれら専門的知識と実践的スキルを習得できる環境も、習得した人材を評価する仕組みもありませんでした。
一般社団法人ウェブ解析士協会(WACA)では、こうした現状を問題視し、実務で活躍できるウェブ解析士の育成が急務と考え、成果につながるウェブ解析ができる人材を育成するための認定資格を設け、講座や認定試験を実施しています。

https://www.waca.associates/jp/wac/about/

▼2020年6月22日

ウェブマーケティングの知識・スキルを習得するために基盤となる「ウェブ解析」について、
「体系的に学べる環境」「スキルの評価基準」を設け、必要な能力や知識を身に着けられる資格です。

ウェブ解析士の3つのメリット
・最新の情報を選び学び続けることができる
・人脈が広がるコミュニティ
・活躍の場の提供

https://www.waca.associates/jp/study/wac/

なんとなく、昔よりだいぶマイルドになりましたね。

 

このウェブ解析士という資格は、「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」という3段階に分かれています。

無印のウェブ解析士は、講座受講料と試験費用、教材費で合わせて33,000円。上級ウェブ解析士は講座受講料と試験費用合わせて88,000円。ウェブ解析士マスターは講座受講料と試験費用合わせて330,000円かかります。

久々に調べてみて衝撃だったのが、無印のウェブ解析士がもの凄く値上がりしていること。自分が受けた4年~5年前は10,000円ちょいくらいだったような・・・。

カリキュラム

2014年、当時の内容です。今は少し変わっているかもしれません。

とはいえ1日で勉強できる範囲も限られていると思うので、そんなに大幅に変わってはいないと思います。

ウェブ解析士

講義全体としてウェブマーケティングの基本的な知識を学びます。

前半はウェブマーケティングが必要なのか、なぜアクセス解析が必要なのか、アクセス解析をすることでどのような示唆を受けられるのか、KPI・KSF・KGIとは何なのか、等の概念的なことを学びます。

後半は正しいグラフの扱い方、例えば棒グラフはいつ使う、折れ線グラフはいつ使う、CPC・CTR・CVRの計算方法など、少し実践的な話になってきます。

当時、ウェブマーケティングの知識ゼロだった自分にとっては、ふむふむ、なるほど、と頷くことが多く、ウェブマーケティングって算数的で面白い!とも思っていました。

 

今の素直な感想は超超超超初歩的な内容で、ウェブ関連企業の入社後の研修レベルだと思います。

わざわざ33,000円払って聞く内容ではありません。本買えば済みます。

ただ当時社会人になりたての状況で、右も左も分からず、聞ける人もいない、藁をも縋る思いで受けた講義だったので、満足度は高いものでした。

就活生にとってもあまりオススメの資格ではありません。あまり実践的な内容はないので知識を得て、終わりです。やっぱり本買えば済むレベルです。

自分と同じ状況に置かれている人にはおすすめですw

上級ウェブ解析士

上級ウェブ解析士の講座は2日かけて実施します。

1日目は3C、4P、5F分析やカスタマージャーニーマップなど、もう少し踏み込んだマーケティング戦略について学びます。

2日目は実際にGoogle Analyticsの指標からどういった分析ができるのか、その結果を元に次はどういったアクションを起こすのかを議論しました。

上級ウェブ解析士は演習が多く含まれていたので、少しだけ実践に近い形で知識を習得することができます。

 

ウェブマーケティングの知識ゼロな自分の感想は「なんだか雲をつかむような話だな~」と思っていました。

具体的には「企業の戦略ってそんなフレームワークで単純化できるものなの?」「そんな施策を打ったところで、どれくらいインパクトあるの?」と正直思っていました。

ただその時は何も知識も経験もなかったので、そんなもんなのかな~と肯定していました。

いま、ウェブマーケティングを通じて様々な企業と仕事をともにしてきましたが、やっぱりビジネスってそんなフレームワークで単純化できるようなものではないと思っています。

SWOTやPEST等もありますが、あくまで「情報整理の手段」であるだけです。情報がきちんと整理できていれば、別にフレームワークなんて必要ないです。

また上級ウェブ解析士はテストに加え、最後にレポートの提出がありました。これが結構大変でした。。

実務を経験したことがないので、とりあえず集計して、グラフをパワポに貼って、コメント書いて、を約30ページ。8時間近くかかった覚えがあります。

でも「こんな浅いコメントと、グラフでいいのかな~?」と思っていたら、合格しました。

良かった・悪かった点

良かった点は「知識ゼロ、右も左も分からない自分にとって丁寧なカリキュラム」であったこと。以上です。

 

悪かった点としては端的にまとめればこの3点。

  • 受講費が高い
  • 高いわりにレベルが低い
  • 知名度が低いので、資格の説得力はない

前述の通り、ウェブ関連企業に勤めていれば入社後の研修レベル、もしくはそれ以下です。

それにウェブ解析士、上級ウェブ解析士、合計で12万円かけるのは正直バカらしいです。

また受講者同士のコミュニティ?に修了後少し参加していましたが、ミクロな話が多かったので個人的には好かず、途中から参加しなくなってしまいました。

就職・転職活動中の方へ

前職のインターネット広告代理店では、自分は新卒・中途採用の面接官を担当することがありました。

なので元面接官からの個人的な意見として、受け取っていただければと思います。

 

ウェブ解析士を持っていたとしても、面接は有利になりません。

 

たぶん、騙せるのは人事くらいまでだと思います。

仮にこの資格を持っていても、評価されるのは「この業界に興味がある」「自発的に勉強する姿勢」の部分だと思います。

面接官の好き嫌いによりますけど、個人的には「自分でサイト作ってアクセス数月間10万こえました!」の方が興味湧きます。

代理店の時もよく部下に、「ウェブ解析を学びたいなら自分でサイト運営しろ」ってよく言っていました。

聞いて、見て、教えられて学ぶより、自分で運営してみるが一番手っ取り早いです。

就活・転職活動で資格を取りたくなる気持ちは分かりますが、これからの時代「誰かに教わる」より「自分で作りだす」の方が評価されると思いますよ。